『独立』『起業』をしたい人は少なくないことでしょう。
公務員は安定・・・でも、やりたい夢がある!このままサラリーマンやってて大丈夫かなぁ?!リストラの対象になったらどうやって・・・など、日々嘆いている人を良く見ます。
私もその一人だったかもしれません。でも、今は独立開業して『居酒屋』を経営しています。『独立』するのしても『起業』するにしても、計画は大事です。
今回は、その『計画』の立て方についてお話します。
はじめに
前回は、職種の選択や目的を明確にして『独立』や『起業』を考えることが大切であることについてお話ししました。
さて、冒頭でもお話しした通り私は『居酒屋』という飲食業界で独立しました。
職種は違っても、計画を立てる流れは同じですから、考え方を柔軟にして見ていってください。
物件
まずは、物件を見付けなければ始まりません。
商売に直に影響するのは「立地条件」であり、集客しやすい場所で物件を探すのがポイントになってきます。
「駅前」若しくは「歓楽街」で見つかればベストではありますが、商売しやすい点から『家賃』の設定が高くなっていることが多いです。
また、「居抜き物件」で借りるのか、「スケルトン」で借りるのか、これは開業に必要な『資金』に大きく左右します。
当然ながら、居抜きで借りる場合は、簡単な手直しで開業にこぎ着けることができ、開業資金を大きく抑えられる利点があります。
一方、スケルトン物件を借りる場合は、一から設計し、施工するわけですから、開業資金はかなり必要になります。
どのくらいの資金が必要になるかは、また別記事でお話しします。
物件選びのもう一つのポイントは「店舗の広さ」です。
当然のことですが、広ければ客動員数も多く売上増が期待できます。
しかしその反面、広さに比例して『家賃』も高くなり、従業員さんも多く必要になります。
売上予測
商売をやっていく上で最も重要なのは『売上予測』です。
ご存知の通り「売上」は、「客数」×「客単価」とよく言われます。
例えば、居酒屋の場合で説明します。
営業時間を夕方5時から0時までとすれば、「ピークタイム」は開店から10時くらいまで、「アイドルタイム」は10時から閉店までとし、この2つの時間帯に分けて考えていきます。
・その時間帯の来客者でどのくらいの席が埋まるか?
・その時間帯の来客者はどのくらい注文してくれるか?
更に、「平日」「週末・祝日前」「日・祝日」に分けて予測する必要があります。
言葉では理解しづらいかと思うので、参考までに30坪の店舗を想定して売上予測を算出してみましょう。
《平日》
時間帯 | 客席数 | 満席率 | 回転率 | 客単価 | 売上高 |
17時~22時 | 36席 | 70% | 1.0回転 | 4,800円 | 120,960円 |
22時~0時 | 30% | 1.0回転 | 2,800円 | 30,240円 | |
合計 | 151,200円 |
《週末・祝日前》
時間帯 | 客席数 | 満席率 | 回転率 | 客単価 | 売上高 |
17時~22時 | 36席 | 75% | 1.1回転 | 5,000円 | 148,500円 |
22時~0時 | 40% | 1.2回転 | 2,600円 | 44,928円 | |
合計 | 193,428円 |
《休日》
時間帯 | 客席数 | 満席率 | 回転率 | 客単価 | 売上高 |
17時~22時 | 36席 | 50% | 1.0回転 | 4,800円 | 86,400円 |
22時~0時 | 10% | 1.0回転 | 2,500円 | 9,000円 | |
合計 | 95,400円 |
このように曜日毎の売上予測を算出することで、1週間の売上予測が出てきます。
(151,200円)× 4日 +(193,428円)× 2日 + 95,400円 = 1,087,056円
つまり、1週間の売上予測(年中無休)は 1,087,056円 なので・・・、
1日平均の売上予測は 155,293円 になります。
言っておきますが、この「数字」が妥当かどうかは、計画を進めていく段階で判断していきます。
とはいえ、年中無休で営業するのは極めて困難であるならば、仮に日曜日を定休日にすると・・・
1週間の売上予測は 991,656円 となり、1日平均の売上予測は 141,665円 となります。
ここで言っておきますが、1日の平均売上を算出する場合、休日も含んで算出しておくことをお勧めします。
なぜなら、定休日でも家賃や水道光熱費はかかっていることを理解しておいてください。
家賃
大都会の好立地物件でもない限り、1坪当たりの家賃の単価は@10,000円/坪~
@15,000円/坪くらいが妥当だと思います。
上記の例で考えれば、30坪の店舗の家賃は 300,000円/月 ということです。
「家賃」はどんなことがあっても、例えばコロナ感染症のような脅威に影響を受けても、震災で被災したとしても支払っていかなければなりません。
なので、「家賃」は安ければ安い方が経営していく上で楽になります。
原価率
飲食業界では、「原価率」の管理がとても重要です。
営業管理の中では、料理、飲み物を分けるよりは、どちらも含め「トータル管理」で考えるべきだと私自身は考えます。
仮に別々で考えていくと、近年の物価上昇に伴い食材の価格が高騰してきた場合、良い方向に傾くことはありません。
「原価率」を抑えるために分量を減らして貧疎な商品を提供してしまって、お客様の期待を裏切ってしまったりもします。
そうなってしまったら、お客様は離れてしまい、当然売上が低下する要因になります。
さいごに補足
今回は、物件選びから売上予測についてお話ししました。
私の場合、人口の多い大都会ではなかったので、『綺麗な店舗が好まれる』という観点から「スケルトン」の物件を借りて店舗作りをしました。
当然、開店費用は想像以上でした。
費用を少しでも安くして開業したい人は、「居抜き」の物件を借りて、壁紙を張替えたり簡単なリフォームでも、全く雰囲気を変えることは可能なのでお勧めです。
以前も同種の飲食店舗であったならば、更に費用をかけずに開店できることでしょう。
ひとつ確認しておきたいことは、「以前の店舗がどうして撤退したのか?」ということです。
なぜなら、何らかの悪い印象が付いている場所は、お客様が無意識のうちに避ける生活行動になっている可能性があるからです。
そのイメージを取り除くためには、多額の広告宣伝費をかけてでも印象操作をしなければならないからです。
売上予測は、あなたの目標設定にもつながりますので、必ず計算してください。
近所の同業店舗に出向いて、時間帯ごとのお客様の動向を調査したりするのも一つの手です。
居抜きの物件をそのまま使っていくのであれば問題にはなりませんが、設計業者に頼んで作る場合、設備の配置やお客様・従業員の動線など打ち合わせをしながらになるので、『席数』が確定するまでに時間がかかったりする場合があります。
席数が分からなければ、売上予測が立てられません。
つまり、店舗設計が決定してから「売上予測」や「経費計算」をするのでは、もしかすると、採算が合わなくなってしまう恐れがあります。
なので、ある程度の『利益計算』まではしておきたいものです。
従って、次回は『利益』についてお話しをしようと思います。
では、またお会いしましょう!
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