独立起業をする際、資金が必要になることが常です。
初めから資金力がある方は、この先のことは読む必要はありません。
しかし、「融資をしてもらえなければ、自分の夢を実現することができない!」
という状況で悩む人は多いと思っています。
では、この「やる気」を買ってくれる銀行がどれだけあるでしょうか?
今回は、銀行さんに「うん」と首を縦に振らせるためにやっておくべきことについてお話ししていきます。
銀行に相談する前に
商売を始めようとする際に、最初の難関は「資金繰り」です。
必要なだけの資金力がある人であれば、全く必要のないお話しです。
しかし、そんな人はリスクある商売をしようとは思わない。
「商売してひと儲けしてやろう!」と思っている人の殆どは、開業資金が無く諦めてしまっています。
それでも諦めきれずに銀行に相談に行き、運悪く断られた人もいるのではないでしょうか。
銀行も商売です。
儲からない仕事はしません。資金を融資して利息を儲けとする商売です。
返済できる可能性がないなら、銀行さんだって首を縦には振らないです。
あなたにどれだけ熱い想いがあっても、強い「やる気」を示しても、情には傾きません。
では、何が必要なのでしょうか?
「そんなのやってみなきゃ分からないでしょう」って思う人もいると思います。
でも、やる前だからこそ、信用できる『密な事業計画』が必要なのです。
事業計画書の作成
つまり、銀行さんが「これなら大丈夫!」と言わせるだけの資料、すなわち『事業計画書』の提出が必須なのです。
その中身とは、
この程度は揃えた上で、銀行に相談に行くべきです。
因みに、EXCELシートに一度作っておけば、次の出店の際に活用できるので、最初だけ苦労しておきましょう。
さて、ここからは「数字」に強い人は得意でしょうが、「数字」が苦手な人にとっては苦痛かもしれません。でも、頑張りましょう!。
ここでは、必要な項目を挙げていきますので、参考にして下さい。
詳細については、各項目ごとに別記事で解説していきます。
物件情報・賃貸借条件
所在地(住所)、ビル名称及び階、坪数
保証金、敷金、賃料、共益費、礼金、仲介手数料、造作譲渡代
それぞれの金額が、坪当たりいくらか?も、算出して表記しましょう。
また、物件の立地が最寄駅からどのくらいか?最寄駅の乗降客数は?
それも調査しておくといいでしょう。
勿論のこと、地図も忘れることなく添付しましょう。
それで、物件から1Km圏内、2Km圏内、3Km圏内と円を描き、どんな企業が存在しているかどうかが分かるようにしておくことをオススメします。
工事(改装)計画と見積り
工事の計画には、期間、工事内容、担当会社、担当責任者。
また、それに関する見積書を頂きましょう。
これらは、設計事務所または設計担当者にお話しすれば簡単です。
工事関連内容や見積りについては、我々も銀行も素人なので異議は申しません。
ここで必要なのは、どれだけの期間と費用がかかるのか、ということです。
設備導入計画と見積り
設備導入には、建物の工事日程の合間に行われます。
事前に、設計担当者と打ち合わせができているのが常です。
ここでも同様に、担当会社、担当責任者、並びに見積書を頂いておきましょう。
もうお分かりの通り、どれだけの費用がかかるのかを把握しておいてください。
投下資本計画
準備が整い、開業するまでに「投下資本」がどれだけ必要かを検討します。
>詳しい「投下資本計画」はコチラ
店舗所得費
前にお話しした「賃貸借条件」の箇所です。
営業する店舗の場所を借りるための費用です。
ここで注意しておきたいのは、建築工事を開始する前に、賃貸契約を交わしておかなければならないことです。
賃貸契約の際に、保証金や敷金、礼金、仲介手数料、更に殆どの場合は「家賃」が前払いです。
つまりは、工事開始から営業開始までの家賃も発生することを、忘れずにいてください。
工事費
営業する店舗を建築するために必要な費用です。
設計担当者から頂く見積りは、内外装工事費および店舗設計費です。
工事前に解体が必要であれば、解体費も別途見積りが出てきます。
厨房設備については、専門の業者が見積りを出してくれます。
更には、有線設備や通信機器設備(電話・FAX・インターネット環境)等の工事費、レジスターなどの設置費用も検討しておくべきでしょう。
開業費
店舗工事が完了して、実際に営業するまでに必要な費用です。
食器やグラス等の消耗備品や事務用品を買い揃える必要があります。食器の種類や数を予測しておきましょう。
従業員さんを雇うのであれば、募集広告の費用がかかります。また、開店前に従業員さんを教育したり、訓練するのであれば、雇用してからの給料も発生します。
料理を試作するのであれば、材料費も必要です。
開店に向けて必要と考えられる事務用品や、メニュー作成、名刺など細かく洗い出しが必要です。
開店前に特別なお客様を招待し、新店舗をお披露目する計画があるのであれば、招待料理等の材料費も必要です。
その他、開店の折込み広告や新店情報を情報誌に掲載することなどを検討し、同時に、それに関わる費用も見積りしておきましょう。
>詳しい「開店費用計画」はコチラ
借入返済計画
上記のような投下資本計画を立てることで、開店するまでに必要な費用が分かります。
その投下資本から「自己資金」を差し引いた資金を、調達しなければなりません。
全額融資してくれる金融機関は少なく、自己資金額の5倍を限度とされていたりしますので、事前に金融機関から情報を貰っておきましょう。
また、金利も考えた上で返済期間を決定し、初年度からの返済計画を立てておきます。
営業計画
日商推定をすることで、目標売上を決定します。
そのために必要な項目は、以下の通りです。
- 日商売上予測
- 人件費予測
- 経費予測
日商売上予測
定休日を決定したら、平日と週末(祝日前)と休日(祝日)に分けて、またその1日をランチ時間帯とピーク時間帯と深夜時間帯に分けて検討します。
各曜日、各時間帯における満席率と回転率から客数を計算し、客単価を推定することで売上予測を出します。
それらから1週間の売上を計上し、1日の平均売上を算出しましょう。
1日の平均売上と年間営業日数から、年間売上予測を算出します。
>売上予測の出し方
人件費予測
正社員は固定給とします。
ここで問題なのは「福利厚生」、社会保険に加入すれば社員さんは喜びますよね。
なぜなら、保険料の半分は会社側が負担するわけですから。
従って会社側の「お財布」からは、社員さんの総支給額と社会保険料の半分が出ていくのです。
アルバイトは、必要と思われる時間帯と人数を予測しておかなければなりません。
詳しくは、別記事で説明します。
>人件費予測の出し方
経費計画
考えられる経費を全て洗い出し、総額を把握しなければなりません。
更に、それらの経費を「固定費」と「変動費」に分類しておきましょう。
これを把握することで『損益分岐点』を算出することができます。
経費予測
家賃や通信費(電話、インターネット回線など)、有線使用料、設備のリース料、店内マットや おしぼりなど、考えられる経費を書き出しましょう。
細かいものまで洗い出し、数字として把握することで信憑性が増します。
水道光熱費については、最大でも4%(売上対比)くらいです。
メニュー構成にもよりますが、原価率も大体は決めておきましょう。
その他の経費については、下記を参考にしてください。
固定費と変動費
知っての通り、経費は「固定費」と「変動費」に分類することができます。
固定費は、売上とは関係なく決まった金額がかかる経費です。
例えば、固定給である社員さんの人件費・家賃・通信費・リース料などです。
また変動費は、売上にほぼ比例していくものです。
例えば、アルバイトさんの給料・水道光熱費・消耗品費・衛生費などです。
原価も変動費となりますので、忘れないようにしましょう。
損益分岐点の算出
「損益分岐点」とは、簡単にいうと黒字と赤字の境目の売上です。
つまり、その点(売上)を上回れば「黒字」になり、逆に下回ってしまうと「赤字」になってしまうわけです。
これをクリアーできる売上予測を立てていなければ、もちろん『融資』などしてくれるわけありません。
>経費計算のやり方
利益計画
これまで計画してきた数字を用いて、損益の計算をしていきます。
売上高から、原価と経費を差し引くことで、『営業利益』が算出されます。
更にそこから、金利と返済額を支払わなければなりません。
それで最終的に残るのが『経常利益』であり、そこから『納税(消費税、法人事業税など)』していくのです。
そこまで計算して、「この計画が必ず『儲け』を出せる」ということを信用させなければならないのです。
>利益計画の作り方
さいごに
金融機関から融資をして頂くためには、信用してもらわなければなりません。
銀行さんも「バカ」ではありません。
いい加減な計画では、見透かされてしまいます。
信用してもらえるだけの『データ』を揃えた上で、あなたの『やる気』をぶつけていくしかありません。
細かい計画の出し方については、個々に別記事として記しておきますので、参考にしてもらえたら嬉しいです。
現実には、お店を開けてからが「勝負」です。
そのためにも、ここで手を抜かずに頑張っていきましょう!
【 追 伸 】
未完成の記事については、徐々に投稿していきます。
先に知りたい詳細は、メッセージでお伝えしてください。
早急に対応します!