『居酒屋』の楽しい所は、様々な料理が注文できることです。
「専門店」はその名の通り、専門分野で勝負しているわけですから、当然価格帯も上がり、ちょっと敷居が高くなりがちです。
その点「居酒屋」は、料理のレパートリーも豊富です。
お酒だけでなく、ちょっとしたおつまみや食事を提供するような小規模のお店であれば、チャレンジしやすい飲食店ではないでしょうか。
今回は、『メニュー作り』のポイントについてお話しします。
はじめに
『居酒屋』といえば、美味しいおつまみとお酒です。
メニューがたくさんあるお店は、どれを頼もうか目移りしてしまいます。
お客さん側からすれば、それは嬉しいことなのですが、経営者の目線でみたときに重要なのは「メニュー数」ではなく、「バランスのよいメニュー」を作成することなのです。
居酒屋を開業しようと考えている方は、ぜひ頭に入れておきましょう。
それでは、具体的なメニュー作りの手順について進めていきます。
メニュー作りの3つのポイント
「メニュー作り」は、お客さんの満足度を上げるのはもちろんですが、お店の回転率や売上にも影響してきます。
お客様に満足して頂き、かつ、お店の利益も上げられるようなメニューを考えていかなければなりません。
お店のコンセプトを決める!
まず『居酒屋』を開業したいなら・・・、
「新鮮な魚介類を提供する海鮮居酒屋にしたい」
「昔ながらの大衆居酒屋のように、趣のあるお店をやりたい」など、
まずは『お店のコンセプト』を決めるのがスタートです。
決めたコンセプトに合わせた料理やドリンクを考えなければ、お客様の期待するイメージと食い違うこととなり違和感を持たれてしまいます。
そうならないためには、出店する立地と共に、狙うターゲット層(年齢、性別)を考えた「コンセプト」を決めることが重要です。
つまり、コンセプトと合わない料理やドリンクは、お客様の期待を裏切ってしまう可能性があり、リピート率が格段に下がってしまいます。
なので、『お店のコンセプト』に合わせたメニューの基本方針をしっかりと決めておくことが大切なのです。
メニュー数はほどほどに!
居酒屋のメニューは、種類が多い方が良いと思っていませんか?
確かに、様々なお客様の層のニーズに応えることができると思われがちです。
しかし、次のような経営面を不安定にする「落とし穴」があることを忘れないでください。
✅お店のコンセプトが不明確になる
✅食材の無駄が発生する
✅発注の手間が増える
✅調理工程の効率が悪い
✅看板メニューが育ちにくい
メニュー数が多すぎることで、せっかく決めたコンセプトがわかりにくくなってしまったり、食材の発注に手間がかかったり、使いきれなかった食材の管理ができずに廃棄処分したりして、原価率の高騰に繋がります。
メニュー数が適度だと、同じ料理の注文が入ることも多く、まとめて調理できるメリットになりますが、メニュー数が多すぎると、様々な異なった料理の注文がたくさん入ってきます。
すると、全ての料理の提供までに時間がかかり、それに伴いお客様の滞在時間が延びてしまい、回転率を低下させてしまいます。
また、大抵の人気店には多くのお客様が注文する「看板メニュー」があります。
しかし、メニュー数が多いと看板メニューも定着しにくく、他店との差別化も図りにくくなってしまいます。
メニュー構成のバランスが大切
人気のある居酒屋のメニューは、以下に挙げるような「3部構成」で考えられていることはご存知ですか?
✅集客を狙う「看板メニュー」
✅客単価を上げる「定番メニュー」
✅ついでに注文してもらえる「稼げるメニュー」
「看板メニュー」は、お店をアピールするような独自のメニューです。
集客効果はもちろんある上、お客様の満足度アップには必須メニューです。
「定番メニュー」は、枝豆やポテトフライ、唐揚げなどのような『誰もが好きなメニュー』です。
よく言われる「とりあえずビール!」のように、お客様が「とりあえずのおつまみ」としてイメージしているものです。
むしろこれが無いと、お客様の満足度が下がってしまうこともあります。
スピードメニューが多く、飲み会の中盤に追加注文を頂けることも多いので、客単価アップにも繋がります。
「稼げるメニュー」は、減価率が低いもので、注文が入ると儲かるメニューです。
単品というよりは、他の料理とセットで注文をしてもらったり、メイン料理がでてくるまでの繋ぎとして注文してもらえたりするように工夫する必要があります。
メニュー作りの手順
居酒屋開業にあたっての『メニュー作り』のポイントは分かりましたか?
それでは次に、メニュー作りの手順を具体的にお話ししていきます。
早い段階で作る
メニュー作りは、出店するための物件探しや開店のための資金調達などの準備と並行して、できるだけ早い段階でやっておくことをお勧めします。
なぜなら、どんなコンセプトのお店でどんな料理やドリンクを出すのかを決めなければ「事業計画書」をまとめられないからです。
「事業計画書」には、建築工事費や内装工事費、設備工事費などを集計し、総投資額を算出する必要があります。
どんな料理やドリンクを提供するかによって、必要な設備や調理機器などが変わります。
物件探しや資金調達などの準備と同時進行で、お店のコンセプトを決め、メニュー作りまで行うのは非常に大変です。
しかし、前述の通りお店のコンセプトに基づいたメニュー作りは、事業計画書の内容にも含まれますので、頑張ってやるしかないのです。
メニューのコンセプト考案を出す
前項でもお話しした通り、まずは、お店のコンセプトを詳細に検討し、メニューのコンセプト考案に繋げましょう。
ターゲットとするお客様の年齢や性別、年収や休日の過ごし方など、お店に来て欲しいお客様を設定してみましょう。
また、近隣にある競合他社のお店のターゲットや通りを行き交う人を観察してみるのもおすすめです。
あくまでも、ターゲットとするお客様とってのメリットを考え、コンセプトに沿って具体的に考えていきましょう。
メニューを絞り込む
メニューの候補が出たら、次に、メニューの絞り込みを行います。
ここでのポイントは、食材の種類が多くならないようにすることです。
つまり、「同じ食材を使って、どれだけ多くのバリエーションのメニューを作れるか」ということです。
その中で、調理方法やトッピング、盛り付けなどでお客さんを飽きさせないように工夫していきます。
前述のように「看板メニュー」を中心に、メニュー数を30〜50品程度に絞り込みましょう。
また、メニュー名もここで決めておくようにすると後で楽になります。
提供までのシュミレーション
メニューをある程度絞り込んだら、実際に料理を作ってイメージ通りに提供できるかを判断します。
この試作段階から使用する食材を決定し、同時に仕入れ先についても選定しておきましょう。
食材の仕入れ価格を比較したり、仕入れ可能な食材の選別、原価計算も一緒にしておきましょう。
「原価率」は一般的に30% が目安と言われていますが、すべてのメニューにおいて30% である必要はありません。
メニューを決定していく上で大切なことは、仕込み準備から調理工程、そして提供までのスピードなどを考えて手順を組むことです。
また、味や盛り付けについても基準値を決め、誰が調理してもスムーズに提供までできるようにトレーニングすることも大切です。
接客担当のスタッフにも、メニュー名やメニューの特徴、提供の仕方まで、細かくトレーニングしておくといいですね。
さいごに
居酒屋を開業するなら、これだけは押さえておきたいポイントと、具体的なメニュー作りの手順について進めてきました。
最近では、お洒落なお店が増えています。
若い年齢でも飲食店を開業する野心家も多くなってきているようにも感じられます。
なぜなら、飲食店は「儲かる」からなのです。
とはいえ、メニューを絞り込まずに何でもかんでもやろうと考えても、注文を受けてから提供までに時間がかかってしまうことになります。
これは、お客様をお待たせしてしまう結果となり、満足度の低下を招いてしまうことでしょう。
そうなってしまっては『繁盛店』として名を挙げることは厳しくなります。
居酒屋の開業を本気でお考えであれば、お店のコンセプトにあったメニューを開発し、『成功』を掴み取って下さいね。
では、またお会いしましょう!
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