大人のための『夢を叶える学校』

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「新宿の路上キャッチ事件」から学ぶ!居酒屋の『リスク管理術』

 『居酒屋』で起業して稼ぎたい!そんな夢を追い求めてきました。

しかし、近年「路上キャッチ」「ぼったくり」といったニュースも後を絶たない。

そんな情報を敏感にアンテナがキャッチし、自店のリスク管理の強化に努めたい。

今回は、新宿で起きた『路上キャッチ』の逮捕劇が舞台です。

「路上キャッチ」は違法?

 「路上キャッチ」は、客引き行為の一種であり、都道府県の迷惑防止条例によって禁止されています。

客引き行為とは、客商売の店などが「顧客として自分たちの店に勧誘する」行為のことで、『風俗営業法』『迷惑防止条例』によって規制されており、違反すると罰金や懲役に処せられることがあります。

 

風俗営業法

【禁止行為等】

第22条 風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。

 一 当該営業に関し客引きをすること。 

 二 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。

引用:法令リード(https://hourei.net/law/323AC0000000122)より

 

 居酒屋やカラオケボックスでも深夜0時以降にアルコール類を提供する場合は、風営法の対象です。

因みに、普通の飲食店の従業員が普通に「呼び込み」をすることは合法です。

この「呼び込み」とは、店前を行き来するお客様に対して「いらっしゃいませ」と店頭で呼び込む行為のことです。

 

迷惑防止条例

 全ての都道府県で「迷惑防止条例」かそれに類する条例が定められていて、公共の場所での客引き行為などは制限されています。

特に、風俗店やアルコール類を提供する飲食店の多い歓楽街では、全ての客引き行為が禁止されているところが多いです。

また、路上でのスカウト行為なども禁止されていて、これに違反すれば罰金などの厳しい罰則があります。

更には、客引きをした本人だけではなく、客引き行為をさせた店舗責任者なども罰則の対象となるので注意しましょう。

 

 このように禁止されているにもかかわらず、特に人口の多い都会では一向になくなりません。

どこのお店にとっても『集客』は最大の課題です。

とは言え、違法行為は如何なものか?

 

客引き

 「客引き」は本来、決まった店の専属スタッフがお客様を勧誘していました。

しかし近年では、複数の店舖と提携して誘導する「フリーの客引き」が殆どです。

そんな中でも、大手チェーン店の居酒屋やカラオケボックスなどでは、店の従業員が「専属の客引き」をしているのを見かけます。

 「フリーの客引き」の多くは、それを取りまとめる専門業者がいるのが普通です。

大きな繁華街ではいくつかの客引き専門業者のグループがあり、反社会勢力とのつながりも指摘されています。

悪質な客引きのほとんどはフリーの客引き(キャッチ)です。

 

相手を安心させる手口

 腕のいい客引きともなると、お客様を安心させる会話テクニックが巧みに上手です。

例えば、世間話から油断させる方法もあり、地元で有名なラーメン店や焼き肉屋などの正しい情報を丁寧に教えてくれたりします。

いろいろと話しているうちに、とても親切な若者なのではないかと錯覚し、つい信用してしまうのです。

客引きは行き来する人の中から、素早くターゲットを見付けて近づきます。

看板を見上げたり、不慣れな足取りで歩いたりしているターゲットに、

「どこかお店をお探しですか?今ならすぐに入れますよ。値段もお安くしますよ。」

などと、親しみのある笑顔で言葉巧みに近づいてくるのです。

慣れたもので、客引きはどのように勧誘すれば反応してくれるかを、お客様の外見から一瞬にして判断します。

例えば、若者グループには「安くて、可愛い子がいるよ」などと低価格を強調してアピールしたり、中年グループには「落ち着いて飲めて、上品な女性がいますよ」などと、年代のニーズに合わせて誘ってきます。

 

相手を信用させる手口

 客引きは、お客様との交渉中に何度もスマホで店舖とやり取りすることが多いですが、これは本当にやり取りしているかどうかは定かではありません。

この際に、お店の混み具合を確認したり、あからさまに値引き交渉を演出したりして、お客様を安心させる手口の一つなのです。

交渉が成立すると提携している店舗まで一緒に案内してくれることも多いです。

これは、決して親切なのではなく、単にお客様の気が変わって他店に行ってしまうことを防ぐためです。

 

自店に誘導する手口

 お客様が「行く店が決まっているから」などと答えても、嘘をついて切り返したりもします。

例えば、「そこの店は今の時間は満席で入れませんよ。ちょうど空いている系列の店を紹介しますよ。」

などと、言葉巧みに自分の提携先のお店に誘導したりもします。

もちろん、系列のお店などではないのは分かり切ってます。

 

 今回、新宿で逮捕された『違法路上キャッチ』がまさにコレですね。

 

「客引きした容疑者ら十数人逮捕」

 焼き鳥チェーン大手「鳥貴族」の系列店を装って東京・歌舞伎町(新宿区)の路上で客引きをして営業を妨害したとして、飲食店経営者の50代男性や客引き(キャッチ)グループのメンバーら男女十数人を偽計業務妨害容疑で逮捕した。

 捜査関係者によると、逮捕された50代男性らは JR 新宿駅近くの歌舞伎町の繁華街で、「とりどり」などの店名で居酒屋2店舗を運営している。キャッチらは路上で「鳥貴族は満席なので系列店に案内する」などとうそをついて客を誘い込み、鳥貴族の営業を妨害した疑いが持たれている。

引用:毎日新聞(「鳥貴族」系列店装い悪質店へ誘導か 客引きした容疑者ら十数人逮捕 (msn.com))より

 

悪質な客引き

 実際に発生している「客引きによる被害」ですが、基本的に客引きとの約束や交渉は口頭でのやりとりですから証拠が残らないです。

事前説明と店での請求が違っていても、殆どは「言った、言わない」でもめるだけです。

 

ぼったくり

 代表的な被害は、「ぼったくり」と呼ばれる法外な金額を請求されることです。

席に座っただけで数十万円も請求されたり、注文した覚えのない酒や料理の支払いを強要されたりもします。

仮に連れてきた客引きとの約束を訴えたところで、前述の通り無駄な抵抗でしょう。

「ああ、誰かいましたね。お友達かと思いました。うちは客引きなどいませんよ。」

などと、相手にしてもらえないのが常です。

段々と威圧的な態度で執拗に迫られ、次第に冷静な判断ができなくなってしまいます。

そして最後には、泣く泣く法外な料金を支払うように追い込まれてしまいます。

 

プチぼったくり

 請求金額が何十万円となれば、誰でも「ぼったくり」だと気づきます。

しかし最近では、「プチぼったくり」というものがあります。

これは、明らかに請求が高いと思っても、支払えないほどの金額でもないという場合です。

結局、交渉してもめるのも面倒なので支払ってしまうケースが多いのでしょう。

 そもそも、客引きをしている店舖は、彼らに支払う手数料を上乗せする必要があるので、自ずと料金は相場より高くなるのが普通です。

 最近では、警察の指導も厳しくなっているから、犯罪として立件されにくい「プチぼったくり」が増加しているらしいです。

横行する「プチぼったくり」の実態

 鳥貴族の系列店を装って店に誘導したとして、飲食店経営者や客引き(キャッチ)が逮捕された事件を巡っては、問題とされている店で「ぼったくり被害に遭った」という投稿がネット(SNS)上でも多く見つかっています。

 

 都外から遊びに来た会社員の女性は2023年12月、同じ店で15分間過ごし、2万円近く払うことになった。友人と一緒にいるところで声をかけられ、「鳥貴族は1時間待ち」と案内されたという。

 女性によると、入店後に店員から「2品は必ず頼まなければいけない」と説明され、焼き鳥の盛り合わせと塩キャベツを注文したという。店の雰囲気や席の狭さに違和感を覚え、店名をスマートフォンで検索したところ、「ぼったくり」の書き込みが目に入った。

 焼き鳥を食べてすぐに店を出ようとした。そこで示された料金明細には、注文した覚えのない「プレミアム飲み放題7960円」や「お通し2000円」「週末料金2000円」などが加算されていた。抗議すると、弁護士のものという名刺を示された。そして、なぜかさらに会計が増え、結局1万8874円を支払うことになった。

引用:毎日新聞(15分で1万8000円の居酒屋 横行する「プチぼったくり」の実態 | 毎日新聞 (mainichi.jp))より

 

予防策

 このような「悪質な客引き」の被害に遭わないようにするための注意すべきポイントをお伝えします。

当然のことですが、人気のある優良店が「客引き」行為をしていることなどあり得ないのです。

なので、客引きの言うことは一切信用してはいけません。

声を掛けられても相手にしない

 客引きには着いて行かないことが、被害を未然に防止する最も有効な手段です。

路上で声を掛けられても、完全に無視することが一番の予防策なのです。

「行く店が決まっている」などと返事をすることも避けた方がいいですよ。

なぜなら、会話をすることで相手のペースに引き込まれてしまうからです。

無視してもしつこくつきまとう客引きには

 当然無視しても、しつこくつきまとわれることも多いです。

その時は、「必要ありません!!」とキッパリ拒否する意思を示すことが大事です。

あまり相手にせず、速やかにその場を離れることをお勧めします。

人通りの少ない路地裏には入らない

 人通りの少ない場所では、大勢の客引きに取り囲まれるなどして断りづらい状況に追い込まれることがあります。

最近では、外国人による客引きも増加しており、取り囲まれて強引に誘導されることがあるので注意が必要です。

そのような場所は、警察やパトロールの目も届きづらく、防犯カメラなどの死角にもなっています。

 人通りの少ない裏通りは「危険」ですから、むやみに近づかないよう注意しましょう。

 

さいごに

 日頃のストレスを発散する為に、夜の歓楽街で遊ぶのは楽しいことです。

せっかくの楽しい時間なのですから、客引きに騙されて嫌な思いをしたり、犯罪被害にあったりしないよう気を付けましょう。

 客引きによる被害の大半は、お酒を飲み過ぎた時に発生しています。

状況判断が出来なくなるほど酔っぱらうことは、大変に危険な状態だということを自覚しておいてください。

このことを肝に銘じ、くれぐれも用心深く行動してください。

 

では、またお会いしましょう!

 


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