「ようこそ実力至上主義の教室へ」ってアニメにハマって・・・。
コロナ禍で時間に余裕ができ、アニメを観始めました。
流行りの「ワンピース」「鬼滅の刃」「呪術廻戦」などなど、弱さを克服し強者になっていくようなヒーロー的なアニメが好きだったけど、知能を駆使したストーリーも面白味があります。
気になる『副題』
今回ハマったアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』って、ストーリーも面白いのですが、今回は副題に注目した視点で楽しんでみましょう。
第1話
悪とは何か ―― 弱さから生ずるすべてのものだ。
F・W・ニーチェ『アンチ・クリスト』
ちょっと検索してみると・・・
世界でもっとも信者が多く、『聖書』を教典にさまざまな地域で信仰されるキリスト教。
しかし、その教典の裏には、一神教の矛盾と人々に及ぼす悪影響、そして「聖なるウソ」が隠されているという。
キリスト教を信じて疑わぬ西洋人に、ひとりの老人が立ち向かう・・・!
現代でも多くの論争を呼び、西洋文化の発展と繁栄の裏側をも暴きだす、ニーチェの問題作。
引用:アンチクリスト
信仰されているキリスト教の教えの中にも、裏側の黒い部分があるというような「反キリスト」の考えの作品です。
ちょっと、興味湧きませんか?
第1話ストーリー概要
進学校・東京都高度育成高等学校が舞台。
入学すると、クラス分けというか「ランク分け」される設定。
主人公は、問題児ばかりが集まったDクラスになった「綾小路清隆」。
この学校は、生徒に現金と同価値のポイントが与えられ、全生徒はそれで生活していくシステムになっています。
この変わった学校のシステムには、どんな秘密が隠されているのか?
また、このランク分けのクラスには、どんな意図があるのか?
ここが見どころでしょうかね!
第2話
才能を隠すのにも卓越した才能がいる。
ラ・ロシュフロー『考察あるいは教訓的格言・箴言』
ラ・ロシュフローとは、17世紀のフランス貴族であり、モラリストである。
この箴言集について検索してみました。
「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない」ー よく知られたこの一句が示すように、愛・友情・勇気など美名の下にひそむ打算・自己愛という業を、重い律動感のある1~2行の断言であばき、読者を挑発する。
人間の真実を追求するフランス・モラリスト文学の最高峰。
引用:箴言集
考えさせられる一句ですよね。
第2話ストーリー概要
クラスのランクには A~D があり、各クラスは生徒の能力によって分けられている。
主人公である綾小路清隆のクラスは、「不良品」と呼ばれる生徒が集まっている落ちこぼれクラスだった。
そのクラスでは、1か月間の自堕落な生活によって、学校側からの評価を徹底的に落とすことになってしまう。
そのことによって、毎月もらえるはずの10万円分のポイントがすべて帳消しにされてしまうのだった。
更に今後試験で赤点を取れば、即退学という厳しいルールも告げられる。
第3話
人間は取引をする唯一の動物である。
骨を交換する犬はいない
アダム・スミス『諸国民の富の性質と原因の研究』
これは有名なアダム・スミスの「国富論」のことです。
検索してみると、
近現代における経済学の出発点と位置づけられているだけでなく、社会思想史上の古典とも位置づけられている。
「見えざる手」への言及とともに、あらゆる規制を排した自由放任主義を推進した文献と受け止められる。
引用:国富論
第3話ストーリー概要
落ちこぼれのクラスではあったが、学校側の予想に反し、中間試験では高得点をたたき出した。
その裏には、堀北たちの必死の努力、そして綾小路の暗躍があった。
しかし、スポーツバカの須藤が、わずか1点及ばず赤点となってしまい、退学の危機に・・・。
しかし、綾小路の最後の一手によって試験結果を覆すことができたのか・・・?
第4話
他人が真実を隠蔽することに対して、我々は怒るべきではない。
なぜなら、我々も自身から真実を隠蔽するのであるから。
ラ・ロシュフロー『考察あるいは教訓的格言・箴言』
第4話ストーリー概要
須藤がCクラスの生徒に対して、暴力事件を起こした。
後日、生徒会立ち合いの下で審議が行われることになった。
その結果次第では、Dクラスのポイントが剥奪されてしまうことになる。
須藤の正当防衛を証明するため、証拠探しに奔走するクラスメイト。
そんな中、綾小路がBクラスのリーダー「一之瀬」と協力関係を結ぶ。
果たして、正当防衛の証拠は見つけられるのか?
この事件の裏でCクラスのリーダー「龍園」の暗躍が・・・。
第5話
地獄、それは他人である。
ジャン=ポール・サルトル『出口なし』
『出口なし』(原題:Huis clos )は、ジャン=ポール・サルトルによる1944年の戯曲。
フランス語の原題は、「非公開審理」を意味する法律用語である。
検索してみると、
1944年5月にヴィユ・コロンビエ劇場で初演された。
本作は、3人の登場人物が謎めいた部屋に通されるところから始まる。
そこは死後の世界であり、3人の死者たちは、共にこの部屋で永久に閉じ込められるという罰を受ける。
サルトルの有名な一節「地獄とは他人のことだ」は、本作を出典とする。
この台詞はまなざしと、人が自己を他者から見つめられる対象として捉えてしまうという絶え間ない存在論的苦闘についての、サルトルの思想を表現したものである。
引用:出口なし
第5話ストーリー概要
須藤の暴行事件の目撃者と思われる「佐倉」だったが、審議での証言を頑なに拒んでいた。
佐倉の協力を得られないまま、審議当日を迎えてしまう。
徐々にDクラスは追い込まれていく。
果たして綾小路たちはこの難関をどう乗り切るのか・・・。
第6話
嘘には二種類ある。
過去に関する事実上の嘘と未来に関する権利上の嘘である。
ジャン=ジャック・ルソー『エミール、または教育について』
ジャン=ジャック・ルソーは、18世紀に活躍したフランスの哲学者である。
『エミール、または教育について』を検索すれば、
教育の性質と、それを「最高かつ最も重要」であると考えたジャン=ジャック・ルソーによって書かれた人間の性質に関する論文である。
引用:エミール
第6話ストーリー概要
劣勢だった暴行事件の審議は、佐倉の証言で五分に戻すことができた。
次回の審議までに、綾小路と堀北は優勢にするための方法を探っていく。
一方、佐倉の周囲に怪しい男の影が出現する。
佐倉には「グラビアアイドル」という別の顔があり、その熱狂的なファンのストーカー行為が・・・。
第7話
無知な友人ほど危険なものはない。
賢い敵のほうがよっぽどましだ。
ラ・フォンテーヌ『寓話』
ラ・フォンテーヌ(621ー1695)は、17世紀のフランスの詩人であり、イソップをはじめ多くの物語に独自の解釈を加えた240話の寓話を書いた。
ラ・フォンテーヌは、皇帝ルイ14世の王太子に、「人生の教訓を学んでもらいたい」との思いで、動物たちを主人公にしたこの寓話集を著した。
美しくユーモラスな挿画を添えて。
人生が変わる、ちょっとスパイシーな全26話。
引用:ラ・フォンテーヌ『寓話』
第7話ストーリー概要
夏休みに入り、孤独を貫く堀北をプールに誘う綾小路。
普段であれば断るであろうが、そこには『ある事情』があり、誘いに乗ることになった。
一方、Dクラスのクラスメイトである「池」を中心に、何やら怪しい計画を立てる男子たちだが・・・。
第8話
汝等ここに入るもの、一切の望みを捨てよ。
ダンテ・アリギエーリ『神曲』地獄篇
早速検索してみると、
ダンテ・アリギエーリ(1265ー1321)は、イタリアの詩人。
政治活動に深くかかわるが、1302年、政変に巻き込まれ祖国より永久追放される。
以後、生涯にわたり放浪の生活を送る中、不滅の大古典『神曲』を完成。
人生の道の半ば、三十五歳のダンテは古代ローマの大詩人ウェルギリウスの導きをえて、生き身のまま地獄・煉獄・天国をめぐる旅に出る。
地獄の門をくぐり、永劫の呵責をうける亡者たちと出会いながら二人は地獄の谷を降りて行く。
最高の名訳で贈る、世界文学の最高傑作。
第8話ストーリー概要
1年生夏休みの学校行事「南の島でのバカンス」が始まる。
島へ向かう超豪華客船内では、レストランや各種レジャー施設も無料で堪能できる。
しかしそこには、Aクラスのリーダーである葛城と坂柳、Cクラスの独裁者・龍園に反発する伊吹など、不穏な動きを見せる者がいた。
どんなバカンスになるのか?
気を緩めて楽しむDクラスの生徒たちは、どうなっていくのか・・・?
第9話
人間は自由の刑に処せられている。
ジャン=ポール・サルトル『実存主義とは何か』
『実存主義とは何か』について検索してみると、
実存主義への非難に応えたサルトルの講演と討論からなる入門書。
実存主義の本質を伝え、その思想がヒューマニズムに直結することを明快に描いている。
サルトル哲学理解への新たなアプローチのための必読書。
引用:『実存主義とは何か』
第9話ストーリー概要
南の島へのバカンスは、実は学校の特別試験だった。
生徒たちは1週間、決められたルール下で無人島生活を行うサバイバルだった。
この試験の成績次第で、A~Dの各クラスが保有するクラスポイントが大きく増減するというルールになっている。
慣れない無人島生活に困惑するDクラス。
その上、行動方針も決まらない険悪な空気が漂い出すが、大丈夫だろうか・・・。
第10話
裏切者の中で最も危険なる裏切者は何かといえば、すべての人間が己れ自身の内部にかくしているところのものである。
キェルケゴール『愛と生命の摂理』
キェルケゴールについて検索してみると、
セーレン・オービュ・キェルケゴール(1813ー1855)
デンマークの哲学者思想家。
今日では一般に実存主義の創始者、ないしはその先駆けと評価されている。
キェルケゴールは、当時とても影響力が強かったゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル及びヘーゲル学派の哲学あるいは青年ヘーゲル派、また(彼から見て)内容を伴わず形式ばかりにこだわる当時のデンマーク教会に対する痛烈な批判者であった。
引用:キェルケゴール
第10話ストーリー概要
南の島のバカンスという名の「特別試験2日目」。
やっと一致団結し、協力して無人島生活を続けるDクラスだった。
一方、Aクラスは秘密主義、Bクラスは高い団結力を活かしていた。
龍園率いるCクラスは、ポイントを浪費して豪遊していた。
それぞれの作戦は・・・。
第11話
しかし、概して人々が運命と呼ぶものは、大半が自分の愚行にすぎない。
ショーペンハウアー『余禄と補遺:哲学小論集』
アルトゥール・ショーペンハウアー(1788ー1860)は、ドイツの哲学者。
主著は『意志と表象としての世界』。
第11話ストーリー概要
女子の下着盗難事件は発生した。
Dクラスの団結が崩壊してしまう。
また、堀北はリーダーのキーカードが盗まれてしまう・・・。
犯人探しが始まるが、それも分からないうちに、今度はキャンプ内で放火騒動が起こる。
Dクラスに次々と災難が襲い掛かり大混乱・・・。
そんな中、キャンプの中から1人の少女の姿が消えていた・・・。
第12話
天才とは、狂気よりも1階層分だけ上に住んでいる者のことである。
ショーペンハウアー『余禄と補遺:哲学小論集』
第12話ストーリー概要
伊吹にカードを盗まれ、それを追いかける堀北だったが、体調が悪化して倒れてしまう。
綾小路は、拒む堀北を無理矢理にリタイアさせる。
リーダーを知られ、リタイアを出し、そしてバラバラになってしまったDクラス。
彼らが予想した惨憺たる試験結果となってしまうのか?
しかし、発表された各クラスの最終ポイントが、意外であり・・・。
Dクラスの運命はどうなってしまうのだろうか・・・?
編集後記
『ようこそ実力至上主義の教室へ』は、いかがだったでしょうか。
ビジュアル的に思春期の恋愛がらみかとおもわされていましたが、今回テーマにした副題が哲学的なものだったので、興味深々に視聴したのです。
人間関係を築いていく中で、誰もが持っていると思われる心の「裏」と「表」とどうやって付き合っていけばいいのか、ということを考えていくキッカケになるかもしれません。
また、まだ本性不明な主人公「綾小路」が、どんな活躍をするのかも期待できます。
今回は『シーズン1』でしたが、2年生・3年生となっていく中で必ず「本性」が見え隠れすることでしょう。
既に『シーズン2』も始まっています!
では、またお会いしましょう。