今年も日本中を笑いの渦に巻き込んだ「M-1グランプリ2024」。熾烈な予選を勝ち抜いた実力派コンビがセンターマイクを挟んで火花を散らし、漫才日本一の称号を争いました。今年は審査員が9人体制となるなど、大きな改革が実施されたことも記憶に新しいのではないでしょうか。
中でも注目を集めたのは、やはり「審査員点数」でしょう。採点基準や審査員の顔ぶれによって、大会全体の空気感や勝敗に大きな影響を与える可能性があるからです。
本記事では、大会を振り返りながら徹底的に解説していきます。
『M-1グランプリ2024』審査員一覧
個性豊かな顔ぶれ
『2024年のM-1グランプリ』では、以下の9名が審査員を務めました。
- 若林正恭(オードリー)
- 中川礼二(中川家)
- 山内健司(かまいたち)
- 塙宣之(ナイツ)
- 博多大吉(博多華丸・大吉)
- 哲夫(笑い飯)
- 柴田英嗣(アンタッチャブル)
- 海原ともこ(海原やすよ ともこ)
- 石田明(NON STYLE)
実力派漫才師から、バラエティ番組で活躍する人気者まで、多岐にわたる顔ぶれが揃いました。
松本人志不在の影響と若返りを目指した人選
長年審査員を務めた松本人志さんの不在は、大会に大きな変化をもたらしました。重鎮の意見が加わらなくなることで、審査基準や大会の行方がどうなるのか、放送前から大きな注目を集めました。
その一方で、若手層の審査員が多く選出されたことは、フレッシュな視点が加わることへの期待感につながりました。新たな時代を感じさせる審査体制は、大会にどのような影響を与えたのでしょうか。
審査基準と採点方法
「とにかくおもしろい漫才」
M-1グランプリの基本的な審査基準は「とにかくおもしろい漫才」であることに変わりはありません。しかし、9名それぞれの審査員が独自の視点や感性を持っているため、採点基準は決して画一的ではありません。
例えば、博多大吉さんはネタ中に「面白い」と感じた瞬間にストップウォッチを押す、独自の採点方法で知られています。また、石田明さんは「構成」「技術」「表現力」「爆発力」の4項目に分けて評価するなど、独自の基準を設けている審査員もいます。
9人体制が生み出す多様性と課題
9人という大人数での審査は、採点の多様性を生み出すと同時に、公平性を保つことの難しさも浮き彫りにしました。審査員によって「面白い」と感じるポイントが異なるため、点差が開きやすいという側面も否めません。
しかし、多様な感性がぶつかり合うことで、より多角的な視点から漫才を評価できるというメリットもあります。9人体制は、M-1グランプリの審査システムにおける新たな挑戦と言えるでしょう。
決勝戦の各審査員の点数
ファーストラウンドは『バッテリィズ』がトップ通過
決勝ファーストラウンドでは、どのコンビもハイレベルな漫才を披露し、会場は大いに盛り上がりました。結果は以下の通りです。
1位:バッテリィズ(861点)
2位:令和ロマン (850点)
3位:真空ジェシカ(849点)
以下、エバース、ヤーレンズなどの得点も僅差でひしめき合いました。
最終決戦は僅差の勝負を令和ロマン制す
最終決戦は、バッテリィズ、令和ロマン、真空ジェシカの上位3組が進出。最終決戦は、審査員による投票で勝者が決まります。
結果は、令和ロマンが5票を獲得し、見事優勝を果たしました。僅差の勝負を制した背景には、彼らのネタが審査員の心に響いたことだけでなく、9人体制という新たな審査システムの影響もあったのかもしれません。
審査員のコメントと裏話
塙宣之が明かす審査の裏側
審査員の中でも、ナイツの塙宣之さんは自身のYouTubeチャンネルなどで、審査の裏側を赤裸々に語っています。例えば、「トップバッターは高得点をつけるのが難しい」というジレンマや、「審査員同士で意見交換はしない」というルールなどを明かしています。
また、「M-1グランプリはあくまで漫才の大会であり、人間性を評価する場ではない」という持論も展開しており、審査に対する真摯な姿勢がうかがえます。
若手とベテランの世代間ギャップ
審査員の中には、若手芸人のネタに対して「理解できない」と発言する場面も見られました。これは、漫才のスタイルや笑いのツボが世代によって変化していることを示唆していると言えるでしょう。
しかし、同時に「新しい笑いを生み出そうとする姿勢は評価したい」という意見も多く、若手芸人の挑戦を後押しするようなコメントも目立ちました。
過去大会との比較
審査員構成の変遷と松本人志不在の影響
M-1グランプリの審査員構成は、7人制や5人制を経て、2024年は9人体制となりました。松本人志さんが長年審査員を務めていた時代は、彼の意見が大会に大きな影響力を持っていたことは間違いありません。
しかし、松本人志さん不在の今年は、より多様な意見が飛び交うようになり、審査の透明性が高まったとも言えるでしょう。審査員構成の変遷は、M-1グランプリの歴史そのものを映し出していると言えるでしょう。
得点の傾向と変化から見えるもの
過去の大会と比較すると、近年は高得点が出やすくなっている傾向があります。これは、審査基準が「技術力」よりも「爆発力」や「個性」を重視するようになっているためと考えられます。
2019年にミルクボーイが記録した681点という歴代最高得点は、今もなお語り継がれる伝説となっています。2024年は、それに匹敵するような高得点は生まれなかったものの、レベルの高い戦いが繰り広げられました。
視聴者の反応と今後の展望
SNSでの反響
「M-1グランプリ2024」の放送後、SNS上では審査結果に対して様々な意見が飛び交いました。「納得のいく結果だった」という声もあれば、「あのコンビにもっと点数をあげてほしかった」という声も聞かれました。
特に、9人体制という新たな試みについては、「多様な意見が反映されていて良い」という肯定的な意見と、「点差が開きやすく、分かりにくい」という否定的な意見の両方が見受けられました。
「M-1グランプリ」の未来
M-1グランプリは、毎年進化を続けている大会です。審査員構成や採点方法も、時代に合わせて変化していく可能性があります。
近年は、YouTubeやTikTokなど、新たな舞台で活躍する芸人も増えています。M-1グランプリが、そうした新しい才能を輩出する場としての役割を担っていくことも期待されます。
まとめ
「M-1グランプリ2024」は、令和ロマンが優勝し、幕を閉じました。9人体制という新たな試みの中で、審査員の個性や採点基準が結果に大きく影響を与えたことがうかがえます。
今後もM-1グランプリは、お茶の間に笑いを届けるだけでなく、漫才界の未来を担う若手芸人を発掘する役割を担っていくことでしょう。
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