簿記って必要か?と聞かれれば、ちょっとわかってれば大丈夫じゃないかなぁ、って思っていました。しかし実際に自分で商売を始め、知っておいた方がいい知識であることに気付きました。
今回、コロナ禍で時間に余裕ができたので「簿記検定」合格に向けて、学習していきます。ここでは、簿記の基礎について解説していきます。
簿記の基礎
「簿記」って何かを知ることから始めましょう。
商売を始めると、会社は1年に一度『決算』を迎えます。これは、会社やお店の利益(儲け)がどのくらいあって、財産がどのくらいあるのかを申告しなければなりません。
モノを買ったり、売ったり、お金を借りたり、貸したりなど、毎日の「取引」を記録しておかなければなりません。この記録することが『簿記』というのです。その記録をもとに、利益や財産を計算するのです。
損益計算書と貸借対照表
会社は1年に一度決算書を作成し、税務署に申告しなければなりません。その申告する書類の中で重要なのが「損益計算書」と「貸借対照表」なのです。
損益計算書
いくら使っていくら儲かったのか(または、いくら損したのか)とういう利益(または損失)の状況をまとめた表です。
貸借対照表
現金や預金、借金などがどのくらいあるかという財産の状況をまとめた表です。
仕訳の基本
毎日行う取引の記録とは「家計簿」みたいなもので、食費とか光熱費とか交際費とかありますよね。簿記では『勘定科目』で分けて記録するのです。これを『仕訳』といいます。では、どのように仕訳をするのかを解説していきます。
例えば、お店で売るものを仕入れたとします。「商品(売り物)1,000円分を買い、現金1,000円を支払った」という取引の仕訳は、左側に【商品】と金額、右側に【現金】と金額を記入します。この【商品】と【現金】が勘定科目です。つまり【商品】を買ったので「商品が増えた」という取引と【商品】を買うのにお金を支払ったので「現金が減った」という取引の2つに分けて記録します。
5つの要素
勘定科目には5つの要素があります。『資産』『負債』『純資産(資本)』『収益』『費用』に分類されています。これらについて、増えたら「左側」、減ったら「右側」に記録するというルールがあります。
資産
現金や預金、土地などの「財産」。
増えたら「左側」、減ったら「右側」に記録する。
負債
銀行からの借入金(借金)のように、後日お金を支払わなければならないもの。
ここで注意しておきたいのは、負債は資産とは逆の要素なので、増えたら「右側」、減ったら「左側」に記録します。
純資産(資本)
お店を開店するにあたり、店主個人のお金を元手として出資します。その出資した「元手(軍資金)」。
増えたら「右側」、減ったら「左側」に記録する。
収益
銀行にお金を預けていると「利息」がついて預金が増えます。また商品が売れると現金が増えます。
増えたら「右側」、減ったら「左側」に記録する。
費用
お店を運営していく上で必要な電気代や電話代などの支出。
増えたら「左側」、減ったら「右側」に記録する。
仕訳のルールには、『左側の合計金額』と『右側の合計金額』は必ず一致しなけれななりません。上図からも分かるように、
- 資本(純資産) = 資産 ー 負債
- 収益 ー 費用 = 利益
となります。
まとめ
これまでお話ししてきた『仕訳』ですが、左側と右側が同じでなければなりません。その左側を『借方(かりかた)』、また右側を『貸方(かしかた)』と言います。
仕訳したら勘定科目毎に集計するのですが、その集計する表を「勘定口座」といい、仕訳から勘定口座に記入することを「転記」といいます。
次回は、仕訳について詳しく解説していきます。